どうも、grandです。
PJCS2025の予選お疲れ様でした。
今年は全4回480人が予選抜けでき、過去のWCSで実施したルールが戻ってくるといった今までにない条件での予選となりました。
結果として、4回の予選で一度も予選突破は叶わず、自分のVGC2025は幕を閉じました。同ルールのWCS2024に選手として参加し、最低限には真剣に考察・練習を行った立場として、今年の結果は身の置き所がない程恥じるべきものであり、非常に情けなく感じています。
今年の失敗の原因を分析し今後に活かせるように、また今後も本気で取り組む上でこの後悔を忘れて同じ轍を踏まないように、今回はPJCS2025予選に対する取り組みについてまとめ、それに対する反省を行いました。
自身の反省と戒めのためにまとめた記事ですので、面白くもなく参考にもならない内容になっていますが、感想や批判、指摘があれば是非とも教えていただけると嬉しいです。
1月 PJCS予選第1回

【構築経緯と予選に向けた考察】
WCSに向けた取り組みを経て、 OTSbo3では使いにくいもののbo1では有用そうなアイデアをいくつか見つけていたので、それらを上手く使って予選抜けを目指したいと考えていた。中でも、予選の形式では強さを発揮できるとWCS時から考えていた「水テラス+チョッキ+草技持ちの白バドレックス」を上手く活かしたいと考え、構想を練っていた。
レギュG再開-予選までの環境としては、WCSで優勝したミライドン構築(アルベガミライドン)の増加、ザマゼンタ構築の急増と、それらに応じた既存構築の変化が見られた。一方で、ザマゼンタ以外の伝説分布はWCS環境と比べ大きく変わっていないと判断した。
ザマゼンタ構築の台頭に、初めは白馬への風当たりの強さを感じていた。自身がWCSで使用した白バド構築はザマゼンタへの対策が薄く、対ザマゼンタについて苦手意識を持っている側面も少なからずあった。
しかし、同時期に評価された化身ランドロスとの組み合わせやゴツゴツメット、ウルガモスと言った単体接触技への対抗策によって、対ザマゼンタに対しても十分戦えると分かり、変わらず白馬の続投に決めた。
取り巻きについて、水ウーラオスと岩オーガポンはWCSでも採用しており、白バドを使う上でどうしても採用したいと考えていたほど相性が良いため採用。ランドロスは前述の通りザマセンタや、ミライドンに対しても強いため採用した。
白バドの草技について考察したところ、タネ爆弾の火力を必要としているとは思わず、一方で草分けのS上昇がとても強いと感じた。そこで、上から行動することをより意識した構築にするため追い風役としてトルネロスを採用した。対晴れ構築へのもっとも強力なカウンターが悪戯心雨乞いだと考えていた(晴れ構築側は雨乞いがあるかどうか不明なトルネロスの処理が難しい)ため、エルフーンでなくトルネロスを選択している。
最後の1枠は、黒バド・トリル系統意識のゴツゴツメットリキキリン、ザマゼンタ・ザシアン・白バド意識のウルガモスを考えていた。
候補①:![]()
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候補②:![]()
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予選直前になり、環境や構築への理解が進んだことで下記内容について考察が進んだ。
・挑発岩オーガポンの対トリルへの性能が非常に高く、特にミライドン構築やガチトリル系統に対して一手で相手の展開プランを崩せることが多い
・襷トルネロスがある程度ザマゼンタ構築・白バドスタン構築に強く、取り巻きと合わせて十分戦える
・黒バド・テラパゴス・カイオーガについて、型や持ち物が一見して分からないような並びが増えたため、前のめり構築を受けられる耐久と積み構築への対抗策を両立させる必要がある(同一ポケモンに役割を集約させられるのが望ましい)
・追い風ミラーにて差をつけられないよう、スカーフ(の可能性がある)水ウーラに対して安定して打点を出せるポケモンが欲しい
以上の考察からザマゼンタやガチトリル系統を意識して採用していたリキキリン・ウルガモスではなく、Sブーストバークアウトトドロクツキを採用することに決めた。
候補③:![]()
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(同時並行でグラードン構築についても予選直前まで考察をしていたが、こちらは構築完成度に難があると判断し保留とした)

【予選当日の取り組み方】
対戦消化は3日目早朝・夕方-夜の2回に分けて行った。
早朝の戦績は12勝0敗だった。海外プレイヤーとの対戦が多かったが、既知・未知の構築に関わらず、各伝説に対する事前のプラン通りに概ね戦えたと記憶している。
一方で、夕方から再開した対戦の戦績は散々な結果になった。特に、開始直後7連敗を喫したのが最後まで響いてしまった。過去の公式大会の経験から、自分には大きく連敗をしてしまう傾向があることは理解していたため、事前に「2連敗したら必ず休憩を挟む」と決めて取り組んだ。しかし、休憩を挟んでも特に変わることはなく結果的に大連敗をしてしまったのが本当に悔やまれる。
対戦中には意識していないが、後で振り返ったり対戦の録画を見返すと可能性が低い型の考慮や弱気な択を選択した結果裏目になっていることが多かった。結果論としては連敗中の悪いマインドが存在することは認識しているものの、自分の中でどういった条件で思考傾向に変化が生じるのかについては未だに分かっていない。
PJCS2025 予選第1回
— grand (@take_grand) 2025年2月3日
ラスト負けて届かず悔しい
序盤12連勝→7連敗でいつもの連敗癖が出たのが痛すぎたからちゃんと対戦振り返って反省します pic.twitter.com/BaOh8bRLpv
【反省点】
構築選択やそれに係る考察については特に悪いとは考えていない。
一方で、トドロクツキの枠については結果的にピンポイント対策に過ぎなかったため、最良の選択とは言えず考察の余地を残していたと言わざるを得ない。予選中にも選出の窮屈さを感じる相手が存在していたこと、また事前の想定になかったスカーフ霊テラス黒バド構築に3度も簡単に負けたことからも、構築自体に改良の余地があったことは間違いない。
当日の取り組み方について、対戦する時間は統一すべきだったと考えている。昨今の予選は海外プレイヤーにとってもWCSに向けた公式大会となっているため、海外勢の参加が非常に多くなっている。すなわち、時間帯によって対戦プレイヤーや構築傾向が大きく変わる。理想論としては当然誰に対しても安定して勝利してレートを積み上げたいが、伝説による構築相性が顕著なこのルールにおいては現実問題として勝率がとても高い/低い構築が存在する。自分で相手の構築を決められるわけではないため気休めに過ぎないが、それでも対戦相手の構築やプレイング傾向が変わりにくくなるよう対戦時刻の統一はするべきだったと考える。
大きく連敗してしまったことについてはもちろん反省・改善すべきであるが、これについては前述の通り原因や改善案が見つかっていない。ただの実力と言えばその通りではあるのだが、毎年同じような事象に悩んでおり、またそれに対してまともに改善策や工夫を講じられていない点はどうにかしなければと考えている。
3月 PJCS予選第3回
2月〜3月初旬にかけて非常に忙しくなってしまい、ポケモンに費やす時間が全く取れなかった。また、2回目の予選は予定と被っていたため参加することもできず、結果的に第1回予選から1ヶ月以上練習も環境把握も行わない期間が生じてしまった。
【構築経緯と予選に向けた考察】
第1回・第2回予選の結果を踏まえて、環境について下記のように考察した。
・ミライドン構築の開拓・公開
…予選に合わせて調整されたアルベガミライドンの変形、瞑想型やサイクル構築といった新型構築が公開されたことで、強力な構築の浸透やミライドン自体の使用率増加傾向が見られる
・黒バド構築の変化
…予選で結果を残した黒バド構築が「黒バド介護構築」「火力アップアイテム持ちの前のめり構築」「黒バドドガス寿司」の3つで明確に分かれ、それぞれ取り巻きが固定化した(WCS時に多かった黒バドスタン系が極端に減少した)
・封印白バドの存在
…追い風白バドに封印を入れた構築がいくつか結果を残し、既存の白バド構築の調整が難しくなっている
・伝説分布の偏在化
…元々使用率が高かったミライドン・黒バド・白バドの3体により偏るような使用率になり、その他伝説の数が減少傾向にある
上記考察から、ミライドンと黒バドに対して絶対的な有利を取れる構築さえ組めれば予選を抜けられると考えた。そこで、第1回予選から考察を進め温めていたグラードン構築を使用することに決めた。
グラードンはミライドンに対して打点を出せるため有利な構築を組みやすく、またヒートスタンプの一貫を黒バド構築に作りやすいことから"グラードン+黒バドに倒されにくい追い風役"が黒バド構築に強い要素であることはアイデアとして持っていたため、これらを含めてよりメタ要素を入れた構築を目指した。
まず、構築の軸を追い風ドーブルとした。予選形式では極端に技の匿名性が高いという強みを活かし、ほとんど誰も警戒しないS操作を持たせることで選出・対面において想定外のプランで崩しやすいと考えた。タイプ上黒バドに強く、またグラードンの日照りによって苦手な水ウーラオスをある程度克服できている点も噛み合っていると言える。
次に、ミライドン対策を考えた。グラードンは一見ミライドンに強いものの、流星群やテラスタルを強要されての電気技、取り巻きの炎ポン等ミライドン側にも対抗策は十分にあり、グラードンを使っているだけでは有利とは言えない。
そこで、上記課題を解決する対策枠として鉢巻毒テラバーストディンルーを採用した。妖テラスミライドンや取り巻き(炎ポン・エルフ・ロンゲ)への打点、マジカルシャインやテツノカイナの格闘技への耐性を確保できる。
更にミライドンの攻撃(特に流星群)に対する全体的な耐性が得られるため、ダメージレースで遅れを取ることがほぼ無くなった。テラス誘発から展開される動きは対グラードン構築には特に狙われやすいが、ディンルーとグラードンの片方がテラスを切っても地面タイプが存在するためそのような展開にさせないというのも強みである。ディンルーの天敵である水ウーラオスが晴れ構築に対して選出・活躍させるのが難しい点も相まって、見た目以上に相性が良いと感じた。

(本当にたまたまだが第1回予選と1体も被らない構築になった)
【予選当日の取り組み方】
対戦消化は2日目早朝・昼と3日目早朝・昼に行った。第1回予選の反省から対戦する時間を揃えようと意識したのだが、結果としてこの回は海外プレイヤーとのマッチングが全体の8割以上を占めた。あくまで時間帯の統一が優先で、日本人が少ない時間帯を避けるという意図はそこまで無かったものの、時間帯とマッチングの相関がここまで色濃く出たのは初めてだったので今後の参考にしたい。
対戦結果については、一言で言えば全く勝てなかった。想定していたミライドン・黒馬へのマッチングが予想よりやや少なく、カイオーガやザマゼンタ、コライドン辺りに多くマッチングし、事前の環境予想とマッチング分布が乖離してしまった。
そして最も反省すべきは、その想定外の伝説や構築に対するプランの煮詰め方が非常に甘く、選出や立ち回りの粗さがそのまま負けに繋がった試合が多すぎたことである。初見の構築が相手であればともかく、認知している構築と対面してもその場で選出を考えているのは事前の準備不足に他ならない。
そんな状態で対戦を進めたため、勝ち負けを繰り返してレートが上がらない状況が続いた。思うように勝てない焦りから、第1回予選のように負けが続いた時に途中で休憩をするといった取り組みも行うのを失念していた。その結果、特に惜しいレートに達することも無く終戦した。
PJCS予選第3回
— grand (@take_grand) 2025年3月24日
運要素のかけらも無く実力通りの妥当な負け
環境メタと初見狩りだけの尖った構築で楽して勝とうと甘えた俺を殴って欲しい pic.twitter.com/ohrijdZBxM
【反省点】
この回は振り返ると到底予選抜けはできないような取り組み方になってしまっており、反省すべき点が非常に多くなっている。それぞれ列挙して振り返る。
①環境理解の不備
期間が大きく空いてしまったため、それを取り戻すべく構築記事や予選・海外大会構築の調査は可能な限り行ったものの、ランクバトルでの環境調査がかなり不足していた。
原因としては、"期間を空けた"ことの重大さを認識できていなかったことであると考える。これまでポケモンに取り組んできて1ヶ月以上も触らなかった経験が無く、またWCSや第1回予選時に力を入れて取り組んだルールのため、ある程度環境について理解しているものと錯覚してしまった。構築は認知していても調整やテラスタイプの流行まで追えておらず本番で苦戦したことからも、環境の理解不足が窺える。
②バイアスのかかった環境考察
①の状況から既に適切な環境考察になり得ないのだが、加えて致命的な点として"自分の使っている構築視点の環境"になってしまっている事が挙げられる。
第1・2回予選の構築記事から、封印入り白バド構築がいくつか結果を残していることが分かった。ミラーで圧倒的に有利になれる要素であり採用数がかなり増えるため、白バド構築の選択は厳しく白バド自体の数も減少するのではと想像していた。
後で考えれば、高々数人が予選を抜けたぐらいで急増することもなく、増えても予選抜けするレベルの人が参考にしている程度だと想像できる。実際、予選では白バド構築と何度も対戦し、それらはほとんど全て既存のスタン系統であったことからも事前の想定とは大きく異なっていた。
しかし、自身が第1回で白バドを使っていたため、極端に封印の増加を恐れ環境や構築の考察にバイアスがかかってしまった。その結果、環境の推測が実際と大きく外れ、意味の為さないものになってしまった。
このような思考に陥った経験は過去に何度かあり、その原因としては環境把握不足や使用構築の偏りによるものだったと考えている。
今回についても、①の通り環境把握が十分にできておらず、また期間が空いたため使用構築が少なかったためまともな考察ができなかったと考えている。
こうなってしまうと本番を迎えるまでに修正が難しいため、大会に向けた取り組みの際には常に考察の偏りを疑うよう心掛けたい。
③構築選択に係る考察の甘さ
今回の構築選択経緯は、環境考察を経てメタ対象を決めた後、既に考察していたアイデア(グラードン+追い風ドーブル)が当てはまるためそのまま選択している。
必要な要素を考察しその内容を踏まえた選択ではあるものの、その他の選択肢についてほとんど考えておらず、振り返って考えると考察が甘すぎるように思える。
例えば、第1回予選で使用したチョッキ白バド構築は、ミライドンに対してある程度立ち回りが確立しており、細部を詰めれば十分ミライドンに高い勝率を残せる余地があったと考えている。同様に黒バドに対してもラスト1枠の検討次第でいくらでも有利になれる余地はあったはずである。
②によって白バドへの不信感を覚えてしまったことが考察を進めなかった原因の一つであるとはいえ、一つアイデアがあるだけでそれに考察を留めてしまったのはあまりにも浅慮であった。
昨年のWCSに係る取り組みにおいては、環境考察・構築選択の要素選定の後、複数の可能性を挙げた上でより優れているものを選択するといった考察の流れがあった。これは非常に汎用的・効率的に適切な(悔いの残らない)構築選択が行える考え方であるという実感があっただけに、この経験を全く活かせていないのは今になって考えると極めて勿体無いと感じる。
④各構築へのプラン考察不足
当日の取り組みでも記載の通り、既知の構築に対してすら満足に選出・プランを確立できていなかった。これについては単純に考察不足・練習不足であることは間違いない。
第3回予選に向けて準備を行うことができた期間は2週間弱であったが、その間に環境考察を妄信して対ミライドン・対黒バド性能についてばかり考察・練習を行ったこと、その他伝説の数が少ないだろうという浅慮によって各伝説への立ち回り研究を軽んじたことがそのまま結果になってしまっている。
考察を進めたミライドン・黒バドへの立ち回りは安定していたので、理想的にはこれらと同等、そうでなくても最低限選出やプランを立てておくこと、そして予選直前にはそれが決まっていることの確認を忘れないようにしたい。
⑤一貫性のない場当たり的な行動選択
今回の構築を含め、普段好んで使う構築は対面的なものが多く、事前のプランやパワーの押し付けはしやすいものの、展開の想定と盤面形成を誤ると一気に崩されやすい。
今回の予選においては、④の通り事前のプラン想定がそもそも甘かったという点もあるが、対戦中の試合展開の想定もかなり下手だった。相手の選択肢や相手視点の立ち回りを考えず、とりあえず通せそうな攻撃・倒せそうなポケモンを選択するだけの単調な動きになっていることが多かった。
もちろん何も考えず技選択をしていたわけではないが、後から対戦を振り返ると選択の根拠が弱かったり他の可能性を見えていないと感じる場面がとても多かった。相手視点の行動想定や選択肢のイメージが十全にできない状態では適切に行動の比較・選択を行うことはできない。
この原因についても、一番は単純に対戦数が足りないことによる実戦経験の欠乏だと考える。その他原因として環境理解や構築完成度の問題もあるが、明らかに練習量足りてないと対戦中ですら感じる場面が多かった。これまでもプレイングが人並み以下であるのを対戦数でカバーしてきた経験から考えても、今後はこの回の倍は少なくとも取り組まなければならないと感じた。
以上が、第3回予選の反省点振り返りである。予選直後に顧みた際にも感じた通り、予選抜けを目指すにあたり何一つとして自分に求められるレベルには到達できていなかった。
上記の反省・課題はそれぞれ今後においても起こりうる内容のため、ここで記録したことを振り返って忘れないようにしたい。
今回の予選冷静に振り返ったら、結果以前に構築もプレイングも練習方法も当日の取り組み方も全部が終わってたな
— grand (@take_grand) 2025年3月24日
これで予選抜け目標は冗談言ってるレベル
4月 PJCS予選第4回
【構築経緯と予選に向けた考察】
第3回予選前に想定していた、ミライドン・黒バド・白バドの3強が極端に多いだろうという予想は、実際に第3回予選上位構築を見る限りでは概ね間違っていなさそうだった。最後の予選というのもあり、大きく環境が変わることはないだろうと考え、大まかな方針は前回から変えないことにした。
一方で、第3回予選の反省点③④にもある通り、構築選択やそれに係る各構築への立ち回りの考察を欠かさないように心がけた。
まず、ミライドンに対し有利になれるポケモンの選定を行った。予選の回を追うについて、ミライドン構築の種類が増えたため、追い風眼鏡軸だけでなくその他の型・取り巻きを想定する必要が出てきた。
そこで、安定して勝率を出すために、ミライドンよりも早く、かつ1発で倒せるポケモンを採用することでどのパターンに対してもプランを組みやすいと考え、ザシアンを考察することにした。第3回予選ではザシアン構築が最上位にいたことからも評価が上がっており、十分検討の余地があると考えた。
ミライドン(に限らず高速伝説を通す)構築は、自身より早い伝説ポケモンに対する対応策は以下の3パターンに分けられる。
(1)追い風・トリックルームによるS優位
(2)壁や悪戯心+変化技による耐久力や行動回数の確保
(3)猫騙し・この指役による行動回数の確保
(1)に対しては、伝説こそ違うものの第1回予選で使用した構築の襷トルネロス+挑発岩オーガポンが強いと分かっていた。
追い風を貼り合いつつ相手のエルフやウーラ、炎ポンに強いトルネロスと、同じく炎ポン・水ウーラに圧力をかけつつボルトチェンジ→キリントリル+カイナの展開に対して刺さる(先制技でない)挑発オーガポンの使用感がとても良かったため、ザシアンと組ませても間違いなく強いと確信して採用を決めた。
第1回の構築と比べても、白バドでなくザシアンにしたことで追い風を貼り合った際に素早さ負けしないのが偉いため、かなり有利に試合を進められると考えた。ザシアンの苦手な水ウーラ・炎ポン含む炎タイプ系にこの2体が強いため、単純に攻めの相性が良いのも素晴らしいと感じた。
(2)(3)についてはザシアンが元来苦手とする相手だと考えていた。威嚇や不利対面に対して一度引いて盤面を作り直したいが、特性の弱体化によってその後の火力が乏しくなってしまう。 その結果、(2)(3)の相手に対しては先発から圧をかけていきたいのにもかかわらず、火力不足を恐れて後発で扱うことがほとんどになってしまう。
この状況を解決するため、すなわち”威嚇サイクル等に付き合わず対面的に戦える選択肢を用意する”ため、ザシアンの剣の舞とイエッサンによる補助を行うプランを考えた。
ザシアンは一貫性の高いじゃれつくと、環境に多い妖テラスへの圧力になる巨獣斬の2つこそ必要だが、他の技についてはどれもピンポイントな場面への採用が多いと感じていた。特にインファイトや聖なる剣といった格闘技は、範囲としては鋼タイプに打てるものの実態はガオガエンとザマセンタに打つことが主な役割になっており、この2体はじゃれつくが等倍のためそこまで必要性を感じていなかった。
剣の舞を採用することで、威嚇やリフレクターへの対抗策としてはもちろん、打点が乏しく苦手なポケモン相手にも強引に突破する手段を得られるほか、ゴツゴツメットの接触回数を減らすことも可能なためかなり優秀だと考えた。また、前述したがオガエン・ザマゼンタの2体に強い打点を出せないと困る場面は少なくないが、それを格闘技ではなく剣の舞+じゃれつくにすることで交代やテラスタルによる受けも難しくさせることができる。
前作の剣盾時代や現在のシングルでは剣の舞の採用は多いが、ダブルにおいてはそこまで使用率が高くない。そのため、初手対面段階での相手との認識差が生まれやすく簡単に崩せることが多かった。
イエッサンはザシアンの苦手な猫騙しや悪戯心電磁波・鬼火から守れる点を評価して採用を決めた。ミライドンへのフィールド確保も優秀だが、対黒バドへの場持ちの良さやトリックルームによる不利な盤面の切り返しも行える点がかなり器用だと感じた。また、剣の舞をしない展開でのザシアンはやや火力不足に感じる場面が多かったため、その補助としても手助けがかみ合っていた。
(1)の構築についてはトルネロスと岩ポンによってザシアンを通す盤面を作り、(2)(3)の構築のように簡単にザシアンを通しにくい相手には剣の舞とイエッサンによって無理やり崩すことで対応できると考えた。
上記4体によって、様々なミライドン構築への対応方針を用意できたため、その他伝説への対応や構築に必要な要素についても考える。
●対黒バド
行動保障のあるトルネロス・岩ポンとイエッサンが優秀なものの、ザシアンをうまく通せないと厳しい相手でもあるためザシアンを無テラスに決めた。テラスタルを切ってアストラルビットを透かせる1ターンで得られるリターンを最大限得られるようにするためにも剣の舞が噛み合っていると感じている。
一方で、ザシアンの耐久力があればテラスタルを切る必要がない場面も少なくないため、別にテラス権を渡せるポケモンがいれば選択肢が増えると考えた。特に、追い風とガオガエンが両立している構築に対して選出が窮屈になりやすいため、それに対する初手を用意したい。
●対白バド
ザシアンのタイプが優秀のため、そこまで不利にはならないと考えていた。しかし、現状ではザシアンが場にいる際に横がブリザードランスで一貫してしまうため、ザシアンの他に氷技を受けられるポケモンが必要だった。
また、指+白バドに対してはザシアンの攻撃を通しにくいため、白バドに通る全体技の採用も必要と考えた。
●その他要素
構築に先制技がなく、全体技も少ないため、現状だと襷ポケモンの処理やS関係の不利盤面において厳しい状況にある。そのため、残り2枠には先制技を採用できるようにしたい。また、現状ではガオガエンの突破方法は剣の舞がほとんどになっているため、これに対する打点も望まれる。
上記条件に当てはまるポケモンとして、水ウーラオスと精神力鉢巻無テラス神速カイリューを採用した。どちらもザシアンとの攻め・受け相性の良さは認知されており特段珍しい採用ではないが、各伝説に対する選出等を考慮するとこの2体に落ち着いた。
中でもカイリューは、地震・岩雪崩の2つの全体技を採用することで、盤面に応じて必要な全体技を選択し強気に攻撃できる点を評価している。地震については環境上地面技の通りが良く、またトルネロスを隣に置かずとも守る採用が多いこの構築では打ちやすいのも相性が良いと考えた。

【予選当日の取り組み方】
対戦消化は2日目早朝・晩と3日目晩に行った。3日目は都合であまり対戦ができない想定だったため、大半は2日目で消化しようと考えていた。4回目の予選ということもあり予選抜けボーダーとなるレートもかなり下がると予想していたため、2日目消化でも問題なく必要レートは確保できるだろうと見込んでいた。
序盤は少し勝ち負けを繰り返したもののある程度まではレートを上げることができた。しかし、この辺りから立ち回り・ダメージ感覚のミスによる負け、および詰め方のミスによって起こる下振れ負けが頻発し、レート1700前後で停滞してしまった。
それでも何とか予選抜けと予想していた1720近くまで到達した。対戦数はそれなりに残っていたので、落ち着いて進められることができればラインに乗ると考えていたが、その次の対戦中に回線が切れ、負け判定になってしまった。
技を押し間違えなければ勝ちの盤面だったので念入りに確認していたところエラー表示され頭が真っ白になった。そもそもSwitchは有線接続されており、対戦後も回線自体は切れておらずオンラインのままだったため、自分にはどうすることもできなかったと割り切るしかなかった。(恐らくNATトラバーサルの問題だとは思うが…)
幸い対戦数はある程度残っていたので、休憩を挟み、一度Switchを再起動してから対戦に臨んだ。しかし、次の対戦では、選出画面→対戦開始直後に回線エラーとなり、再び負け判定になった。ここで気持ちが少し投げやりになってしまい、そのまま対戦を続けようとしたところ、次の対戦中にソフトのエラー落ちが起こった。
結果、システム起因で3連敗扱いになり、大きくレートを落としてしまった。その後数戦したものの、レートは戻ることなくそのまま終戦した。

(めのまえが まっくらに なった)
【反省点】
この回は、第3回予選での反省を踏まえた改善を意識的に行ったため、事前の取り組みは比較的良いものになったと考えている。
環境こそ大きくは変化しない見込みからそれほど考察に時間はかけなかったが、構築選択や各伝説へのプラン立て、およびそれに至るまでの練習量の確保は、振り返ってみても取り組めた期間に対しては十分行えたと考えている。
本番でのダメージ感覚の不備から練習量不足自体は改善されたとまでは言えないが、これまで続けていたものを突然辞め、1か月以上も空けてしまった影響を元に戻すのには期間が短すぎた。これについては次回以降同じ状況にならないよう気をつけたい。
一方、当日の立ち回りについては反省すべき点があった。それは、構築段階での基本思考からブレた立ち回りを行ってしまった点である。
元々、第4回予選に向けた構築作りにあたって、命中不安技の採用を惜しまないと決めていた。今年の予選ではボーダーラインがかなり下がっており、必要な勝率もかなり低くなっていた。そのため、命中不安技の使用による確率下振れを加味しても、勝てる相手にしっかりと手札を用意してある程度の勝率を確保できる方が予選抜けの可能性が高いのではないかと考えた。そのため、この回で使用した構築は命中不安技の採用が少なくなく、またいずれも当てないと困る場面がそれなりにある構成になった。普段はこういった構築の組み方はしたくないが、上記考えの下で強力な技を強気に振り回せるのが相手との立ち回りの噛み合いも少なくなり良いのではないかと思い、採用に至った。
以上の構築段階での思考から、立ち回りについても「命中不安技は怖がらず押し、外して負けた分は他で取り戻す」とすることを事前に決めていた。 この考え方が正しいか否かはさておき、このような思考を持った以上は大会中は貫いて戦うのが良いと考え、練習段階でも意識するようにしていた。この取り組みは自分自身新しい試みだったので、かなり楽しみな部分でもあった。
しかし、予選本番の対戦を振り返ると、技外しを極端に怖がったプレイングを繰り返していた。もちろん、命中不安技を使用せずとも確実に勝てる場合にはそれが理想的である。だが実際には、命中不安技を打たないよう消極的な行動選択を行った結果被弾回数が増えて急所や追加効果を引く、「安定技で倒せるかも…」という甘い気持ちから命中不安技を避けた結果耐えられる、といった事象が頻発した。
これらの原因はプレイング・ダメージ感覚のミスでもあるが、その不足を補うための構築段階のプランであったはずの考えを対戦中に意識できなかったのは反省すべき点だと考えている。その場の浅慮に流され、事前に考えていた考察を蔑ろにする行為は、それまでの取り組みを捨てたも同然であると肝に銘じたい。
あとがき
ここまでの閲覧ありがとうございます。
ポケモン対戦を本格的に始め、予選を抜けられるようになった年から初めての予選落ちとなりました。これは明らかに自分の取り組み方に問題があると思い、各予選について構築や考察のメモ、対戦録画を改めて確認して振り返りを行いました。
振り返った結果を一言で言えば「初心者並の取り組み方であり予選を抜ける気がなかったようにしか見えない」内容であり、自身の中に多少なりとも経験者たる驕りがあったのだと改めて気付きました。これまである程度できていると考えていたことも反省点に挙がったため、普段の練習や考察についてもこれを機に振り返り、改善していくように心掛けたいです。
この記事を公開することにしたのは、自身の醜態を晒し戒めるために他なりません。今後同じ内容の反省をしないよう、初心に帰って取り組み方を見直したいと思います。
非常に読みにくく他の方には意味のない記事ではありましたが、ご意見・ご指摘等あれば是非とも教えていただきたいと思います。
繰り返しになりますが、長く拙い文章をここまで読んでいただきありがとうございました。
失敗を振り返るのは何よりも辛いしつまらないけど、全力で振り返った後一からやり直すのが何よりも面白い
だから一生辞められない